北アフリカのサエル地方の昔話とあり、また「歌う」とあるので多少
まぬけな悪霊の話と思いきや・・・やっぱり悪霊でした。
悪霊の絵も藤子不二夫Aの「笑うセールスマン」の「喪黒福造」に似ているような感じがしたので、ちょっと気がゆるみ・・・手に取りました。
裕福になりたい男は悪霊の土地を麦畑にしようとします。男が口にしたことを悪霊は地の底から出てきて手伝ってくれます。その度に悪霊が次々と地の底から湧いて出てきます。そうして悪霊が増えていくにしたがい、どんな最後になるのかハラハラドキドキで読んでいきました。
そして、やっぱり悪霊は悪霊なのだと思い知らされました。
どの国でも昔話というものは残酷で、人としてどうあるべきか、自然のなかで生きていくために守らなければならないものは何か、など大切なメッセージが含まれていると思いました。
6年生に読みました。他の国の昔話に触れるのもいいのかなと思い、また読み応えがあると思い選びました。
初めのうちは悪霊が次に何人出てくるかなど、小さい声で話すのが聞こえてきました。クスクスと笑い声もありました。しかし、だんだんシビアな内容に子どもたちも驚いた様子でした。