小手鞠るいさんのお母さんをモデルにした、実話が基になっているということで、とても重厚で現実感のあるお話になっています。
次第に目が見えなくなっていく不安というものは、いったいどんな感じなのでしょうか。
お母さんは恐怖を感じつつ、明るく受け止めようと見せていますが、その力強さには圧倒されるばかりです。
次第に視界が悪くなり、とうとう全盲になったときの悔しさは、切実な悲鳴に聞こえました。
それだけの重い話なのに、岡山弁で語られるこのお話は、人情味たっぷりで、ユーモラスであり、哀愁があります。
そうしなければ、つらすぎることもよくわかります。
目が見えなくなったお母さんが書いたお守りには、何も言えません。
こしだミカさんが、これまた素晴らしい人生劇場に仕上げています。