「紙のつくりかたが伝わっていった道」というのが、「へぇーこんなに長い年月がかかったの」ということで印象に残ったページです。
8世紀からの年月と、アラブとの戦いで敗れた唐の捕虜の中に紙すき職人がいたためたというエピソードも、戦争は文化面での発達も促すことも今更ながらに驚きました。
電子書籍が主流になったら、紙の文化も衰えて、本の歴史も変っていくのかと思うと、寂しい気がしますが、これだけの気の遠くなるような歴史の営みの上に、今手もとにある本があると思うと、本へのいとしさが募るというもの。
私自身紹介されるまでこの本の存在を知りませんでしたが、読物だけでなく、こういう本も時にはおもしろいと思いました。