トムが手話でしか会話ができません。でも、だからといって感情や意志がないわけではありません。
それは動物園にいる動物たちも同じです。トムとメスゴリラのザンジが手話で話せるようになったのは、同じ境遇だったからなのかもしれません。
そのつもりはなくても、相手にレッテルを貼ったり、偏見の目で見ていたりしないでしょうか。この『おりの中の秘密』は、そういう人間がたくさんいるぞと痛いところを突いてきます。トムとザンジは言葉でなくても感情を通わせることができることを教えてくれます。
コミュケーションのツールは、言葉だけではなく、いろいろな形があるのだということ、そして言葉じゃなくても深い感情のやり取りができることをこの本は文字で訴えています。
小学校高学年〜がお薦めです。