ノールウェイの有名な作家が60年以上前に書いた物語です。
作者の子どもたちがモデルだそうです。
ノールウェイの農家が今でもこのような生活をしていないだろうし、まして日本の現代の子どもたちには想像もつかない生活です。
女の子と男の子が2人ずつの4人の兄弟が、いきいきと描かれています。
第一部は農場での生活が丁寧に書かれていて、何気ない毎日とどこにでもあるような兄弟の関係とそれぞれの子どもの性格が書かれています。
第二部は、山の牧場へ家族で移り、村中から牛ややぎを預けられ世話をします。
こちらは、どきどきするような出来事の連続です。
ここから物語が始まれば楽しく読めるかもしれませんが、子どもたちの性格や関係が丁寧に書かれているからこそ楽しめるのです。
最初は根気が居ると思いますが、このような物語を読んで、一緒に冒険し成長してもらいたいと思います。
両親を助け、水汲みや薪割り、牛追いをするのが10歳と8歳の男の子です。
読んでいると本当にそんな幼い子ができるのだろうかと思ってしまいます。
両親も子どもたちを信頼して任せます。
失敗しても叱ったりしません。
子どもたちは自分がどんなに役に立っているか実感していきいきと仕事をしています。
「人は、たのしいことも、つらいことも、あるがままにうけ入れなければならないのです」10歳の男の子がそう自分に言い聞かせています。
でも、子どもらしいところもたくさんありました。
8歳の男の子が書いた手紙はとてもつたないものです。
今の日本の8歳の子はもっとしっかりと書きます。
しかし、この物語の男の子たちはとても勇敢です。生きる力に満ち溢れています。
男の子たちが牛追いでもらったお駄賃の使い道に泣かされました。
妹たちやお世話になった人へ贈り物をし、お母さんにも欲しいものをなんでも買ってあげるといいます。
お母さんは涙を流します。
しばらく前に息子が、初めてもらったお給料でプレゼントを買うからねと言ってくれたことを思い出しました。
その言葉だけで嬉しいお母さんの気持ちがよくわかりました。