鮮やかなラズベリー色、犬みたいな、カバみたいな、やたら大きな不思議な生き物。
「テッドって何者?」
何かしでかしてくれそうな予感に、ワクワク読み始めました。
「ぼく」とテッドのとんでもなく楽しく、困った遊びの数々とのびやかな絵が楽しくて、息子は大喜び。
プールの場面はうひゃうひゃ笑っていました。
親目線で見ると、少し胸が痛むお話でもありました。
最初のページ、3人掛けのソファーに1人きりでしゃがみこむ「ぼく」はあまりに切ない。
長いお話の最初から最後まで、お母さんは全く登場しません。
少年はお父さんと2人暮らしなのでしょう。
怒ってばかりのお父さんだけど、仕事も家のこともして、子どもに正しいことを教えようと頑張って・・・真面目で一生懸命なんですよね。
「ぼく」もそれが分かっているからこそ、
自分が遊んでもらいたいだけでなく、お父さんにも笑って欲しいと必死だったのかもしれません。
「きみのお父さんは、いつからあんなに、つまらないやつになったんだい?」
お母さんの私にも響くテッドの言葉。
最後の絵だけのページ、何度読んでも胸が熱くなります。
誕生日ですら遊んでもらえなかった「ぼく」の願いが叶ったから。
お父さんもお揃いのパーティ帽子を被って、本当にいい笑顔をしているから。
お父さんが大好きな息子も、最後のページがお気に入りです!
子どもはお父さん、お母さんに笑っていて欲しいんですよね。
忙しいウチのお父さんにも読んであげなくちゃ。
いくつかの章立てのある、長めのお話ですが、
幸せな結末、また裏表紙まで飽きさせません!
年長さん位から、昔、空想のお友達と遊んだ大人の方まで、おすすめの絵本です。