先日図書ボランティア研修会で、子どもの物語受容について研究されている
大学教授の講義を拝聴しました。
そこで、具体的に取り上げられたのが、この作品。
めんどりのロージーがお散歩に出かけて戻る、それだけのストーリーなのですが、
絵は、ロージーを狙うキツネの姿も描きます。
ところが、すんでのところで、キツネの襲撃はことごとく失敗。
しかも、ロージーは全く気付く様子もないのです。
展開はまるでトムとジェリー、
そのスリルは一昔前ならドリフのコント(観客が「そこ!そこ!」と突っ込む)でしょうか。
それだけでも、絵を読み取る楽しさがあるのですが、
登場人物の視線の方向性、途中から奥行きのある構成など、
映画論も踏まえた考察が実に面白かったです。
なるほど、絵が語る作品としての完成度が高いことがよくわかります。
じっくりと絵を楽しみたい作品ですね。