タイトルからして、男が持っていたのは押絵出会って、平板な絵画とは違うはずです。
残念ながら、藤田新策さんの絵からは、立体感が出てこない逃し、幻想的なこの絵本の弱点でしょうか。
絵の中にいる、男の兄と娘が、押絵の技法で絵に押しつけられたものと想像したら、娘と一緒にいたいという願望が、とても切実さを増して想像できます。
双眼鏡を反対からみるということで、縮小された兄は、現実の世界を離れ、押絵の中で娘と添いとげる事が出来ました。
しかも娘が仮想であるのに対して、兄は生きているので、年老いていきます。
江戸川乱歩の世界だからこその作品でしょうか。
原作が読みたくなりました。