本をたくさん読むには、几帳面な人よりどちらかといえば大雑把な性格の人の方がいいのではないかしらん。
几帳面な人が雑誌なんか読むと隅から隅まで読まないと気がすまないとしたら、ちょっとばかり気が遠くなる。
新聞がいい例で、毎朝届く新聞全紙面を読んでいたら続けざまに夕刊紙を読むことになってしまう。
大雑把な性格であれば、全部読むなどということに縛られることなく、自分が気になった記事や文章をさっさと読んでおしまいではないだろうか。
長谷川義史さんのこの絵本もそうだ。
几帳面な人にとっては恐怖の一冊だろう。
ようちえんに通う5歳の男の子が主人公のこの絵本、男の子が自分のおじいちゃんのそのまたおじんちゃんの、という具合にどんどん祖先をたどっていくお話。
おじいちゃんのおとうさんのことを「ひいおじいちゃん」というが、この絵本にはたくさんの「ひい」が出てくる。
ページいっぱい「ひい」なんてページもあるくらい。
もし、几帳面な人がこの絵本を読んだら、「ひいひいひいひい…」とずっと続いて、おそらく今自分がどのあたりの「ひい」を読んでいるのかわからなくなってしまうにちがいない。
そして、最後には「ヒィー」っていって倒れてしまうのじゃないかな。
その点、大雑把な人ならページいっぱい書かれた「ひい」の全体をさっと目にしておしまいじゃないかな。
自分の性格がよくわからない人はこの絵本を読んでみるといい。
いくつまで「ひい」を数えられるか。