読書感想文コンクール中学校課題図書。
中3の長男が珍しく、読書感想文用に図書館から借りてきた本。
ということで、私もご一緒させてもらいました。
課題図書3冊のうち、真っ先に読み始めたのは、
やはり修学旅行で沖縄に行ったからかな。
ただし、やはり、女の子の友情が軸なので、さすがに感想文までは書けなかった様子。
でも、分からないなりに、読破してくれたのは嬉しい、と思える作品でした。
題名から察せられるとおり、舞台は沖縄。
彩華のお隣に引越ししてきたのは、同じ15歳の夏海。
彩華は貧乏だから、夏海は学校不適応だから、二人とも高校には行っていない。
二人は沖縄独特の風土の中で仲良くなっていきます。
どちらも現代の様々な複雑な事情を抱えての悩みを抱えていますが、
不思議と両者が両者を互いに助ける形で、交流が進みます。
沖縄在住の自称・奇談小説家の作品だけに、
沖縄独特の信仰や、生活習慣などが描かれますが、それがいい具合に作用して、
とても素敵な展開になっていきます。
青蛙神(せいあしん)のポチ(ネーミングは脱力系!?)の存在感がいいです。
神経科に通うほどに、一般的には病んでいると言われる症状の二人。
でも、とても正常な反応じゃないかなあ、と思ってしまいます。
海のシーンが心を打ちます。
「ゴミは消えてなくならないけれど、心の中のいやなことは、
時間が経つと共に消えていくんだよ。だから、抱えこんでいないで、
流してしまいなさい。潮の流れで、ずっと遠くまで運んでいって
あげましょう。流れているうちに、消えてしまうから。海には、
そういう力があるんだよ。」
悩める思春期の子ども達に、ぜひ読んでほしいです。
もちろん、心の癒しを必要とする、大人の方にも。
かなり強引な展開もありますが、突っ込みどころも満載で、
楽しく、ハラハラ、そして、心にジーン・・・。
グイグイ読んでみたくなる、そんな読後感でした。