長いタイトルです。長すぎるので引用しません。
数えると、33文字もあります。
そのうち、「−」以下は、この絵本の主人公の少年の名前です。名前だけで21文字あります。
これはイギリスの物語ですが、日本にも長い名前の子どもがいます。
「じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの・・・」と、まだまだ続きます。でも、これは落語の「寿限無」というお話。
この落語でもそうですが、長い名前を呼ぶのにリズムが必要。早口の技術です。
この絵本で繰り返し出てくる「ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー」という男の名前を読む時も、リズムが必要です。 これは結構難しい早口言葉といえます。
(もし、お父さんやお母さんとこの絵本を読むのだったら、もっと「早口で!」とせがんでみるのも面白いと思います)
ここでは短く「ジョン」くんと書きます。
だって、「ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー」くんなんて書いていたら、それだけで終わってしまいそう。
「ジョン」くんはまじめな男の子。いつも「おべんきょうしに」歩いています。
ところが、「ジョン」くんは不幸な男の子でもあって、途中でワニにあったり、ライオンに咬みつかれたりします。だから、いつも遅刻をしてしまうのです。
先生に遅刻の理由を言っても信じてくれません。
たしかに、ワニにあったりライオンに咬みつかれたりはめったにしないもの。
先生は「ジョン」くんに罰として、「もうわにのうそはつきません」と300回書くように言います。
「ジョン」くんが書いたたくさんの「もうわにのうそはつきません」が、表紙裏に載っています。これを見るだけで、「ジョン」くんがかわいそうになってしまいます。
この絵本のおわりには、「ジョン」くんの遅刻の理由を信じようとしなかった先生に起こる不幸が描かれていて、「ジョン」くんとともに読者の気持ちもスッキリするようにできています。
だって、読者は「ジョン」くんの遅刻の理由がワニにあったり、ライオンに咬みつかれたりしたことを知っているのですもの。
ジョン・バーニンガムの素敵な絵本、もちろん谷川俊太郎さんの訳もいい。