「かがくのとも復刻版」を、長男の5歳の誕生日にプレゼントしたのですが
その中の1冊として読みました。
中村柾子さんの著書「絵本の本」で、この「こうていぺんぎん」を知り、
読んでみたいと興味を持っていたのです。
ペンギンは、オスが足の上で卵を温め、
メスが餌を取りに長い長い旅に出ます。
1ヶ月もの間、オスは飲まず食わずで吹雪の中を立ち尽くして、卵を守ります。
動物園などで見る、かわいらしい姿からは想像もできない、
厳しい暮らしがそこにはありました。
大人である私は、TVなどで、ペンギンの習性などについて見知ってはいましたが、
それでも、子どもまで連れて長旅をするというのは初めて知り
「へぇ〜」と新鮮な感動を覚えました。
でも、それでも、生まれてきたペンギンの赤ちゃんを見ると、
思わず「かわいい〜」と言ってしまいます!
ふわふわの毛の感触が伝わるような、魅力のある絵です。
子どもには、テレビで見せるよりも、
絵本の絵だからこそ伝わる、生きたぬくもりだったり
生の声で読み聞かせるからこそ伝わる、息遣いが大事だと思います。
長男には、「死んでしまうペンギンもいる」ということが衝撃だったようです。
「どの子?」と、とても気にしていました。
いろいろな考え方があると思いますが、子どもに、動物のかわいい・良い部分だけを見せて
死や弱肉強食や汚い部分を隠す・・・というのは、一見いいように聞こえますが
現実から目を背けているような気がするのです。
私は、絵本の絵と文を通して、親の肉声で、ちゃんと現実を知って、向き合う力を伝えたいと思います。
そのためにも、優れた絵本だと思います。