「せかいいちうつくしい村のひとたち、生きてたんだよ!
パグマン村は今年の冬に破壊されちゃったけど、村の人たちはね、命からがら他の場所へ逃げたんだって。」
娘が階段を駆け上がってきて、私に真っ先に伝えたかったこと。
それは、パグマン村の人たちの無事を知らせることでした。
「せかいいちうつくしいぼくの村」の最後の一文を読んで、ヤモも子羊のバハールも、みんな亡くなってしまったかのかと悲しんでいた娘でしたが、2作目の最後を読んだとき、彼らが生きているとわかって、本当に自分のことのようにうれしくてたまらず、私のところまで走って知らせに来てくれたのでした。
娘にとって、子羊のバハールは、「春」という意味の名前の通り、新しい命の象徴であり、生きる希望であるように感じていたのだと思います。
そのバハールが、戦火を逃れて生きていたと知り、パグマンの村にも希望を見出せたようでした。
喜びに満ちた顔で、私のために読み聞かせをしてくれました。