中川ひろたかさんと言えば、「ピーマン村」シリーズがつとに有名です。
長谷川義史さんは、「おへそのあな」「いいからいいから」等の作品で知られています。
そんな二人が、「おこる」という気持ちに関して、考えさせる絵本として世に送り出した絵本です。
前半は、ぼくの怒られる1週間が描かれています。
ぼくは、思い立って怒られない場所を目指すのですが、寂しすぎるという結論に至ります。
後半は、ぼくが怒る側にたったシーンを描いています。
まず、この構成が最高に素敵です。
起こる側と怒られる側の両面から気持ちについて、分析してあるのです。
でも、何と言っても良いのは、最後の2頁の文章。
「おこったあとって
こころはどんより
おこったからって
きもちが すっきりするわけじゃない。
なるべく おこらない ひとに
なりたいんだけどなぁ。」
凄く心に染み入る言葉ではないでしょうか?
気持ちを考える点で、子供への読み聞かせは勿論、大人が子供を怒ることを再度考えさせられるので、年齢を問わずオススメしたい絵本です。
姉妹編として、「ないた」(絵は長新太さん)があり、こちらも読んでみたいと思います。