犬のフンザ君が作ったおもちゃの船。フンザ君が寝ている間に、インク瓶に住むブラッキン氏と、サボテンのキンダーちゃんが乗船して旅にでる話。
夜中に何が起きているか、寝ている本人は全くわからない。
夢を見たり、見なかったりするが、本人以外の存在がどのような行動をしているのか?それをいろいろ想像したら、こんな一冊が出来上がったのだろうか。
筆者のファンキーでおしゃれで、極彩色で、天才的な驚異の異空間がずんずん展開していく魔銃的な絵本。是非とも実際にページをめくって体験して欲しい。お話自体は、わかりやすい楽しい話だから安心。安心できないのは、どのページも面白い絵が画面からはみ出る勢いでかかれており、あちこちに不思議な世界に入り込めそうな異空間が口を開けている(ように、読者に思わせる不思議な力がある)。
登場人物が全員アーティストで、無暗に元気になってしまうパワーを発揮している。読者は日頃の憂さを忘れ、楽しい気分に。