2008年9月に月刊絵本「ちいさなかがくのとも」に掲載され、2011年10月に発刊された作品。
おとうさん、おかあさん、おにいちゃんとわたしが、河原に遊びに行くシーンから始まります。
主人公の女の子のわたしは、2歳〜3歳といったところでしょうか?
蝶々に誘われて、河原の草原に分け入っていきます。
河原の草原って、背が高いものだから、わたしは周りが見えなくなってしますのですが、その目線の描き方が秀逸です。
自分だけが世間と隔離されてしまったような、その感覚は幼い頃、誰しもが記憶にあるもの。
その不安を暗い色で表現した後に、おかあさんが見つけてくれてホットするシーンとなるのですが、何と言っても酒井駒子さんの絵の力量に圧倒されることでしょう。
物語自体は、ほんの一瞬の出来事ですが、心理描写を巧みに描いた絵に惹きこまれることと思います。