タンポポの、花の構造と、種のでき方、種から育って花が咲くまでの成長を写真で記録した本。
1992年刊行。原書:1987年。
植物の一年のサイクルを紹介する学習絵本。
小さい子どもが、見てわかるように、やさしい語り口になっている。タンポポの花の写真は、花の断面図や、大きく引き伸ばした絵で、草花の体の作りがよくわかる。
見慣れた花であるが、実はあの黄色い菊のような花は、花びらに見える1枚1枚が、独立した小さい花であり、その集まりでああなっているという。
なんと、表紙は、タンポポの花の構成員の、集合写真。
みんないい顔をして写っている。
綿毛の1つ1つに種がついていて、遠くに旅をする。
綿毛は簡単な作りになっているが、どうしてこれが、素敵に機能的で、必要最低限の材料とエネルギーで、実に効率よく子孫を残せるように工夫されていることがわかった。
植物の素晴らしさがわかって、楽しい。
最後のページは、自分で植物の写真を見て、育つ様子について話をしてみましょう、ときた。
タンポポの気持ちになってみたら、きっと世界を見る目が変わって、もっと命を尊重できるようになれる気がする。