幼い蟹の兄弟が、よどみなくながれる谷川の底から世界をながめ、
めぐる季節や命のいとなみを見つめた珠玉の童話。
宮沢賢治童話の美しい世界を、青く淡く深く澄んだ美しい挿絵が
更に盛り上げてくれます。
青く澄んだきれいな色や、川底から見上げる世界。
あぶくの一つまでもひんやりと心地よく、
川底にやって来たように感じます。
水の中に差し込む光や水面でたわむれる光の波の挿絵も神秘的!!
素敵な挿絵の作り出す世界が、静かな物語とともに
心に刻まれます。
いろいろな画家の『やまなし』がありますが、
この作品の挿絵も童話の魅力を引き立てるような素敵な作品でした。