ひよこがさんぽをしながら、出会った動物と次々と鳴き声を交換していくというストーリー。例えば、ねずみと鳴き声を交換して『ちゅう』と鳴いているだけでも不思議なのに、それがぶたと鳴き声を交換したとたん、ぶたが『ちゅう』、ひよこが『ぶう』と鳴くといった具合。「この世界ではそんなに簡単に鳴き声が交換できるの???」と思いながらページをめくると、そのやりとりを見ていた仲間のびっくりした様子が、ユーモラスかつ、ていねいに描かれていて思わずぷっと笑ってしまいます。やっぱりひよこさんがすごいのね!
子どもも1歳も後半になり、いろんな動物の鳴き声もわかってきたようで、鳴き声が次々に変化していくのを、楽しく見ています。途中、猫がひよこを食べようとやってくる場面がお気に入りで、犬の鳴き声でほえられて、「にゃあうー。おどろいたー。」と逃げていくところではすごくうれしそうな顔をします。その部分だけ何度も繰り返し読まされたり・・・。
わたし自身は『む』としか鳴かない(?)かめが、鳴き声を交換したとたん『にゃあにゃあ』と鳴けるのが面白かった。そして、このさんぽで、鳴き声が『む』となってしまったひよこ、鳴き声を交換した動物たちは、もとの鳴き声を取り戻すことができるのだろうかと少し心配になったりして・・・。単純なストーリーのようでいて、しっかり楽しめる絵本だと思います。絵もおちついていておすすめです。