『てのひらむかしばなし』シリーズの、非常に印象深い作品です。
一風変わった画風の作品ですが、一枚一枚の画がストーリーにぴたっときてる感じがしました。部屋の中にいる弟と、それを外から覗き見る兄を、違った目線で複合させたカットは面白いです。
ストーリー的には『したきりすずめ』もそうですが、身内で明暗が分かれるというのは、身につまされるというか、どうも切なく感じてしまうのは僕だけでしょうか。意地悪で業突く張りな兄が悪いのは勿論ですが‥、そんな教訓めいたことは言わず“とっぴんぱらりのぷう”と、さらりと愉しむのが昔話の粋な読み方なんでしょう。
海が塩っぱいのに、こんな逸話があったとは面白いですね。海を見るたびに思い出しそうです。