メキシコのお話。つぼ作りの名人ホアン・ゴメスさんが作った二つのつぼ。
一つは、きれいに模様まで、つけてもらって、おかみさんが、水汲みに使っている。
でも、ひとつは、焼く時にひびが入ってしまって、すみにおいやられたまま。
クリスマスのピニャータを作るのに、使われたそのつぼは、自分がきれいに飾られ、お菓子やくだものを入れてもらって、上機嫌。
でも、このピニャータって、クリスマスの日に子供達が割って、中からでてきたお菓子を拾うというもの。
何も知らずに壊されてしまったつぼは、ゴミ捨て場に捨てられ、嘆く。
でも、なんとあのきれいに色を塗ってもらっていたもう一つのつぼもゴミ捨て場にやってきた。
そのつぼのかけらは、「なんだって、いつかはこわれるんだよ。それぞれ、役に立って、よかったじゃないか。」という。
すると、ゴミの山は、しあわせなため息につつまれる。
誰もが、それぞれに値打ちがあるとわかって、うれしかったから・・・。
クリスマスの絵本と言うよりは、人や物の価値を問いただすような絵本。心にぐっとくるものがあったのか、小学生の息子は、これを読んで泣いていました。