大根がおいしくなる季節がやってくると
「そうそう」とこのお話を読み返していました。
私は、ほんの2ヶ所に挿絵があるだけの童話集で読んでいました。
安房さんのお話は、
読んでいると自然に頭の中に情景がうかんで映像化。
この絵ぶんこでは、やさしい絵がついて
「ああ、茂平さんもいのししもこんなふうだと思ってた」
とニッコリ。
カルテットは思い描いてなかったけど。
寒い季節は
あったかい一皿がいちばんのご馳走と感じます。
たしかに「ゆげ」が決め手!
熱々の料理もゆげがなかったら、おいしさも半減しそうです。
そのゆげが
白い鳥になったり、ユリの花になったり、
ちょうになったり、雲になったりして、
心をあったかくしてくれ、悲しみを忘れさせてくれる。
ゆげが天井に上って消えていくように。
「ゆうべ」と名のるにふさわしい。
そうして白いちょうの笑い声
小さな鈴みたいな…
小さなガラス玉がぶつかるような…
星のかけらがこぼれるような…
あーなんという表現でしょう
私にも聞こえてきます、笑い声が。
茂平さん、
お言葉に甘えていのしし宅にお泊りさせてもらったら
どんな話を聞けたのかな
とちょっと残念。
ほっかむりのてぬぐいを借りられたから
帰ることにしてよかったかな。