誰もが知っているシンデレラですが、グリム版、ペロー版、その他とバリエーションがあって、残酷な部分がある話と、ソフトな話が混在しています。
そして、誰もが知っているシンデレラだから多くの絵本画家が手掛けたい材料なのかもしれません。個性的な本があるのも本を選ぶ側の楽しみかもしれません。
宇野亜喜良さんの絵本には、宇野さんならではのこだわりを感じます。
読者をちょっと突き放したような毒気も感じました。
精神的に不安定な時に沁みこんでくるのかもしれません。
簡素にアレンジされた奥本さんの文章には、抽出されたエスプリを感じます。
ペロー版の『シンデレラ』と、グリム版の『灰かぶり』を描いている宇野さんなので、二つの味で表現したかったのでしょうね。
『灰かぶり』も読んでみたいと思います。