花のき村という平穏な村を訪れた盗人たち。
根っからの盗人のかしらと、盗人見習いの4人。
盗人、錠前屋、角兵衛獅氏子、大工とそれぞれの腕確かな職人は、村に偵察に行くのですが、盗みのことより染みついた枝で家々を見てしまいます。
かしらはそれが歯がゆいのですが、盗みの指導をしながらひとり村はずれで待っていると、童から子牛をあずかります。
人に頼られたことのないかしらの心によみがえった善人の心。
新美南吉の倫理観なのでしょうか。
とても穏やかに善の心を説いてくれます。
かしらはひとりで自朱して、4人を旅立たせます。
「盗人にはもう、決してなるな。」というかしらの指示がとても素晴らしい。
心洗われる絵本です。