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狂言えほん(2) かきやまぶし」 渡”邉恵’里’さんの声

狂言えほん(2) かきやまぶし 作:内田 麟太郎
絵:大島 妙子
出版社:ポプラ社
税込価格:\2,200
発行日:2008年01月
ISBN:9784591100455
評価スコア 4.64
評価ランキング 3,379
みんなの声 総数 10
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  • 【内容】
    狂言の演目「柿山伏」を、楽しくアレンジしたもの。
    山伏が、故郷に帰る道中、柿の木から実を取って勝手に食べてた。しかし柿の木は地主が所有している。見回りに来た地主は山伏を見つけたが、隠れたつもりになっている愚かな姿をみて、この山伏をからかってやろうと思いつき…
    二人の騙し合いの結末は?

    【感想】
    その辺に居そうな、実にリアルで小汚いおっさん二人に、まず驚く。匂ってきそうな生々しさ。普段は威張り散らしている山伏と、業突張りでけちん坊の地主の騙し合い対決を面白おかしく描いた作品は、当時の見物客に大歓迎されたと思う。
    今も、実力もないのに無駄に威張っている嫌なヤツと、欲張りでしみったれで心の狭い嫌なヤツは、嫌われる。セクハラやパワハラを連想させる。だから、この作品を見ていると、現実世界で「該当」しそうな人が懲らしめられているような気がして、溜飲が下がる…そんな大人は多いはず。(いや、年齢に関係ないかな)

    普段は下の立場で嫌な思いをこらえている方が、有利な立場になった時に日頃のうっぷんを晴らす。だから、地主の悪戯は容赦がない。奢れるものも久しからずやというが、人間はいつ何があるかわからない。たとえ本心は意地悪であっても、表に出さないように、無理やり頑張った方がいいのだろう。
    いろんな人があって、合う合わないがあってあたりまえだから、できるだけぶつからないようにしたい。立場を利用して人で憂さ晴らしをしていると、後々怖い。(これは実際に身近な人の晩年を見ていると、怖いほどよくわかる)

    ただの絵本だと思ったら、いけません。これは劇薬かもしれません。
    使い方に気をつけましょう。人間は悟らない、賢くならない生き物だとよくわかる一冊。

    投稿日:2018/05/31

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