「カニ ツンツン ビイ ツンツン…」鳥の鳴き声とされることばから始まるタイトルと本文に、赤くて丸く平べったい生物?の絵。良くみると蟹とは全く違う形なのに、それが「カニ」に見えてしまうという人間の認知の不思議。
どのページもリズミカルなことばの羅列で、声に出して読むのが楽しい絵本です。
具体的に意味のあることばに、あまり意味のなさそうなことばを取り混ぜて、絶妙なリズムを作っているのです。
ことばに添えられた絵も、ぴったりです。それも、どうしてぴったりなのかと尋ねられても、上手く言語化できないレベルで。
とにかく、ことばと具体的なもののイメージの結びつきがまだ少ない赤ちゃんから、幼児、大人まで、それぞれの認知の度合いに合わせて楽しめる絵本だと思います。
あの表紙の形が蟹に見えてしまうのは、おそらく実物の「蟹」とことばとしての「蟹」の両方を知っている幼児期以降でしょう。
その移行期の前後にわたって読み続けている読者が身近にいないので、そのことを確かめられないのが残念ですが…
我が家では年齢問わず人気の絵本ですが、おそらく最初に読んだと思われる年齢「2歳」を選択しておきます。