昔…日本全体が貧しかったころのハレーすい星騒動に
取材した話…
地球に近づく天体の影響で5分間だけ空気がなくなる…
という情報が山間の村に伝わった…
噂に翻弄される人々、覚悟を決め動じない多くの庶民…
その中でお金にモノを言わせて我が子だけは
助けたいと品薄で高価な自転車チューブを
背負わせる地主の姿は今を生きる人々の心情とリンクする…
理屈と権威で周囲を納得させようとする校長は
現代の専門家と称する学者のようだ…
二俣英五郎のちょっととぼけたようなそれでいて
人間の表情を的確にとらえた絵がこの作品に不思議な
リアリティを与えている…
現在の情報過多状態の中で、情報の本質を見抜く知恵と
どこかキッパリと切り捨てる潔さを持つため、
この本を大人が読むことは大いに意味があると思う