「のりおのふしぎなぼうけんきょう」や「おかん」など、ちょうど我が家のブームになっているコンビによる紙芝居を見つけてしまいました。寿司や刺し身といえば“まぐろ”が一番という息子にぴったりです。
昔々まだ色んなものに名前が付いていなかった頃、大きな魚はみな“でっけぇの”と呼ばれていて、“まぐろ”を差して「その でっけぇの!」と言ってもなかなか伝わらず、(画を見る子たちは「そっち!」、「あっち!」とワイワイ盛り上がりそうな画ですが、)不便この上ないので“まぐろ”と名づけたという由来についての説明の他にも、イワシやアナゴの名前の由来も出てきて、とても為になります。
“まぐろ”の名前の説明では、顔にある“まぶた”が同じ語源として引き合いに出されることで、(僕も含め)合点がいく人が多いのではないでしょうか。
そして一般的に絵本作家が作った紙芝居は、遠くから見やすいようにとの気遣いもあってか、いつもの画のタッチとは違うことが多いですが、この作品はまったく期待通りの絵で、安心して見ることができたのも良かったです。それと初めて出会った“2枚前に戻る”という仕掛けによって、(思わず五味太郎さんの絵本「きみは しっている」を連想しましたが、)ぐっと紙芝居に引き込む効果と新しい驚きがありました。
終わり方も、会話を生むような問いかけであって、自宅や、家族連れの多いお話し会などでは、話しが広がりそうな作品だと思います。