「男はつらいよ」で有名な映画監督の山田洋次さんが落語絵本?
そんな疑問を感じたのですが、山田監督は過去に落語のCDも出されていたのですね。知りませんでした。
このお話の絵本化も、約25年前に持ち上がっていたものということで、本書に対する熱心な思い入れが伝わってきます。
けちな男が死んだ後も財産のことが気になり、目玉だけを生き残らせるという、何とも奇妙なお話。
昔から語り継がれる古典落語ではなく、作者のアイデアで作られた創作落語です。
目玉だけで生きる姿を想像すると、不気味でたまらないのですが、鈴木さんの描かれる絵のおかげか、恐ろしさよりも面白さの方が強く感じられます。
手書きの文章も独特で、多少の読みにくさはあるものの、奇妙な雰囲気が増しています。
落語ならではの奇抜な発想、オチの面白さがあり、楽しむことが出来ました。