正直いいますと、月刊子どものともで初めて手にした時は、あまりいい気持ちがしませんでした。子ども達にも読んであげていません。何年か後に、男の先生に読んでいただいて、はじめておもしろい!と実感したのでした。
このことを絵本サークルの学生に伝えたところ、ある男子学生(卒業生)からこんな話しを聞きました。彼が幼稚園時代に大好きだったそうで、エンソくんのおべんとうの羊のコロッケととうもろこしの下にはごはんがあるのか、とうもろこしだけなのかが気になって仕方がなかったとのこと。それを引きずって大人になり保育士になったのだが、最近になってごはんはないことを、スズキコージ氏ご自身から伺って、長年の謎が解けたとのこと。しかしわかってしまった分、なんとなく寂しくなった…と言っていました。
1冊の絵本に対して、こんな思いがあることを私はうらやましく思います。
この絵本にも、子どもの好きな動物、乗り物、食べ物がでてきます。日本では許可を得ないと電車に動物を乗せることはできません。ましてこんなにたくさんは絶対にあり得ません。こういうことが許されるのはいったいどこなのだろう?と思いを馳せながら読むのも、大人の読み方かもしれませんが楽しさが倍増すると思います。