「わたしは、お母さんにわたしのこと好きになってもらいたいの。かわいいって思ってもらいたいの。でも、信号おくるの、たまにつかれちゃう。」
キーちゃんに共感です。
私もお母さんに見てもらえなかった時期がありました。
お母さんは仕事で忙しいし、他の家族のことで大変な思いをしているから仕方がないんだけど…。
ただ少しでもいいから自分の方を向いて、話を聞いて欲しいだけなんだよね
作中にキーの気持ちやぽつりと呟く本音が何度も出てきてその度にうるっときて、最後お母さんの元へ帰ってきたシーンでは、涙が止まりませんでした。
恨んだり嫌いになんてなったりしない。
ずっと待ってたんだから。
お母さんとキーの心が通い合い、キーの心がやさしく満たされていくのが分かりました。
最初は表紙とタイトルを見て、てっきり王道ファンタジーかと思っていましたが、その中でも様々な人間模様がしっかりと描かれていて、いい意味で期待を裏切られた作品でした。
話を聞いてくれる優しいお父さんのニドジ
子供みたいに自分を必要としてくれるお母さんのモティ
こんなヘンテコな偽物の家族だけど、本当の家族になれるんです。
血の繋がりや時間なんて関係ない。
キーにとってはどちらも大切な家族。
私もキーちゃんと同じあの頃にこのお話を読んでいたら、もっとお母さんの気持ちに寄り添えてたかな…なんて思いましたが、大丈夫。
向き合う気持ちがあるのなら、遅くたって時間がかかったって、いつか分かり合えるものです。
お母さんたちにこそ、この作品を読んで欲しいと思いました。