工藤ノリコさんの絵本はどれも大好きですが、他の大笑いできる絵本とは違い、これは本当に心に染みわたるような素敵な作品です。
色々なおともだちからの手紙の数々。
どの手紙も、遠く離れた友を思う心で溢れています。
半分まで読み進めた後、息子も途中からその手紙の返信になってるのに気付き、慌てて数ページ前にさかのぼって読んでいました。
「あ〜!この手紙の返事がこれなんだね!!」と分かって満足気。
息子は特に、宇宙人の手紙に「何て書いてあるんだろう?」と興味津々のようでした。「どうやって宇宙に送るのかな?」とも・・(笑)
私は光の朝のともだちと、月の夜のともだちとの手紙が心に残りました。
会うことのできない二人、でもこの手紙を通して相手を思いやり、大好きな友だち同士になれるなんて素敵です。
ページごとに出てくる様々な切手も本当に素敵。
船の切手、汽車の切手、宇宙の切手、色んな外国の切手、日本の切手・・・どれも美しく、切手だけ眺めていても楽しいです。
消印も色んなデザインがあって面白い。
挿絵も勿論素敵です。心が洗われるような美しい自然や花々、お月見山とさくらの里のページのお酒に映る月や、舞い散る桜の花びらなんかもすごくイイ!!
手紙はゆったりとした豊かな時間をもたらせてくれますね。
メールやラインに慣れきってしまった現代人に、是非読んで欲しい素敵な1冊だと思います。