クロウのまなざしは、どこへ行っても子どもたちに向けられています。
どこへ行っても子どもたちに笑顔がないのです。
平和を運ぶ白いカラスを捜しに飛び回るクロウの真摯な気持ち。
黒いカラスたちに、「白いカラスだって平和を運ぶことはできない。戦争をやめることなど愚かな生き物に、できるわけがない」と言われても人間の子どもを信じたクロウの言葉が、読んでいて響きました。
人間の大人には期待できないけれども、惨劇を経験している子どもたちならば、この先に平和をもたらしてくれると願ったのでしょう。
クロウの最後に、尊い願いの結晶の姿を見たような気がします。