あきのはじめのこと。
縁側で、おじいさんとおばあさんがおはぎを食べていました。
その時、おじいさんのおはしから、おはぎがひとつ、ころころころ…
おじいさんは追いかけましたが、見つけられず…
おはぎちゃんは、カナヘビの夫婦に育てられることになりました。
転がっていたおはぎの運命は、想像以上のものでした。
カナヘビさんだけではなく、たくさんの虫たちが、協力し合っての子育てに、ご近所同士の助け合いの様子が伺えます。遠き良き時代のことのようで、微笑ましく思えました。
秋の庭先のあふれるような草花たちや小さな虫たちの生き様の描写が、とても素晴らしいと思いました。
また、過去の出来事とのつながり、そして、予測できる未来の出来事など、想像をいっぱいいっぱい膨らませることができるお話です。