アナグマがもちよりパーティを開くことになり、森の動物たちは何を持っていこうかと思案します。でも、モグラは新しい家を作るのに忙しく、持っているものも何もないので、パーティには行けないことをアナグマに伝えます。するとアナグマは物よりも「君自身を持ってくることを考えて」と一言。一体モグラは何を持っていったのでしょう…。
「物よりも心」とはいつも思っていますが、気が付けば物に執着しているのが現状のような気がします。ここに登場した動物たちの反応と同様、「え、手ぶらでパーティに来たなんて!」という感覚で。モグラはたくさんの物を持ち寄った動物たちに囲まれて、自分自身の特技を披露します。もし自分がモグラだったら…、つらい気持ちを味わうだろうなと思いながら、拍手喝さいのモグラの幸せそうな顔を見てホッ。持ち寄りパーティで、大した物を持っていけなかったときの、ちょっとひけめを感じた自分を思い出しながらこの作品を読みました。息子にはあまり共感を得てもらえなかった絵本ですが、わたしは自分の経験といろいろ照らし合わせてしまいました。