「本を読み始めた幼い子どもの両親に贈る、絵本と、読み聞かせのガイドブックです」
と帯に書いてありました。
両親向けとはありますが、どちらかといえば、集団への読み聞かせをしている方への本に思えます。
というか、ある程度子どもに本を読み慣れた両親にはいいですが、読み聞かせ初心者の両親が、いきなりこれを読むと、ちょっとキツイかなと思えます。
いい本だとは思いますが、出版されてから随分年月が経っていますし、ある程度の加筆が欲しいかなと感じます。
そもそもこの本の元となった冊子は、40年以上も前のもので、この本自体が出てからも20年以上経っています。
著者は、「絵本のよしあしを見きわめる目を養うために、“満二十五歳以上”の絵本を読みましょう」と書かれ、いくつかそれに該当する絵本も紹介されていますが、そこで紹介されている絵本は、もはや古典の絵本で、もちろんどれも今でも子どもたちに受け入れられる素晴らしい絵本だとは思いますが、この本の初版当時に新刊だった絵本も、そろろろ満25歳になろうとしています。
また、著者が素晴らしさを繰り返し書かれている「シナの五にんきょうだい」は、その後、差別問題で絶版になり、今は別の出版社から別の訳者で出版されたりしていますが、その辺りの著者の意見も知りたいなと思うのです。
当時と今とでは、世の中も随分変わっていますし、この本の本質的な良さは変わらないとしても、時代の流れを踏まえて、著者もまだバリバリ活躍されている方なので、何らかの加筆があれば、もっといいのになと思うのです。