偕成社文庫の、この本の推薦年齢は小学校上級以上とありました。
この本が出たのは1981年なので、そのころと比べると、子どもの本を読むレベルがかなり下がってきていますから、小学生の高学年ではなかな読まない。いえ、読めないかな〜。
決して難しいわけではなく、子どもにも伝わりやすい文章で書かれているので、中学生くらいなら読もうと思えば読める内容です。
ただ、一見話が暗いので、朝読などには進んで選んでくれないかもしれません。
物語の舞台は大変貧しい東北地方の農村の話です。
主人公のばば(今は81歳のおばあちゃん)が語り手となって、
嫁に来た20歳の頃から11人も生んだ子どもが、今でも生き残っているの子がたった3人になってしまうまでのことを話してくれています。
関東地方に比べ、田舎の方、特に作物が育ちにくい東北地方に暮らしていた人の生活苦は想像を絶するものだったのだと、この本で、改めて感じました。
食べるものがなく、村の人から毒といわれていた植物にまで手を出してしまう五男の兵五郎の死は、悲しいというより、切なくなりました。
この本を読んで、何より驚いたことは、後書きで紹介されていた小学生の感想文でした。
後書きを書かれた作者の鈴木さんも、解説を書かれた松谷みよ子さんも驚かれていましたが、この小学生の感想文はホントにすごいです!
下手な大人より、この本を熟読しているな。と、思いました。
本文自体も大変素晴らしいお話だと思いますが、この感想文は必見です。
うちの上の子にも、ぜひ読んでほしいな〜と、思っています(まだ読んでいないので、すすめようと思っています)