この作者の童話集は持っていましたが、絵本になっていることを知らなくて購入してみました。
絵の力はすごいです。
うまく言えませんが、お話のくぎり、ページを変えるところがまさに適切で、この美しくて悲しいおはなしを更に深みを与えています。北の暗い海、寒い深海にじっと息をひそめるように暮らす人魚の様子が伝わって来て、寒いような怖いような感じを受けます。
人魚の赤ちゃんがあまりにかわいくてうっとりです。
この本は子どもには何歳頃にあたえたらいいのでしょうか。
お金。
たくさん積まれ、何年もの絆をあっさりと忘れてしまうのです。老夫婦は薄情なのでしょうか。お金にまけた、というところが何より悲しいです。
主人の友人(日本人ではない)には何人もアジアから養子を迎えている人がいます。第二子不妊や全く子どもがもてないなど、理由はさまざまですが、どの家族をみても、新しい家族を自分の子どもと同じように自慢に思って、自分が生んでいないことなんかまるで忘れているように感じられるほどかわいがっています。この老夫婦は最後までこの人魚を我が子とは思えなかったのでしょうね。