絵本を検索した時、表紙絵が写真家と思ってしまいました。
窓(あるいはドア)の向こうをジッと見つめる少女の姿が、
印象的な絵本です。
少女がほとんどのページで外を見ているので、顔や体に当たる光の明暗の絵筆遣いが、とても素晴らしかったです。
物語には、どこからかやってきたノラネコも登場します。
うちは貧乏だから「ネコなんか、飼えないんだよ」といいながら、ミルクをやるおばあちゃん。結局、主人公の少女がお母さんのいない寂しさに、ネコの世話をしているのを、おばあちゃんは何も言わずに見ないふりをしてくれています。
この家族が、どういう状況で、女ばかりの貧しい暮らしをしているのか、詳しいことはなにも書かれていませんが、
母を待つ少女の姿に、たくさんの想いや物語が詰め込まれているように感じました。
小さなお子さんには難しいかもしれませんが、高学年から中学生くらいのお子さんにはぜひ一度読んでみてほしい絵本です。