おじいさんは旅をしていました。
ひとりぼっちではありません。
子犬の時に、旅の途中のおじいさんに拾われたピーピラピューも一緒です。
でも、どうしておじさんは旅に出たのでしょう。
何がおじさんにあったのだろうと、常に?のおもいで、雪の季節からおじいさんとたくさんの景色を見ながら、読み進めました。
細々としたものまでの丁寧な描写に目が奪われます。
一つの出会いが、おじいさんの歩を変えます。
リンゴの木の下の一夜は、グッと来ます。
「嬉しいことも楽しい事もみんなこの家で起こりました。だから、ここにいれば、一人でもさびしくないんです。」というおばあさんの言葉に、祖父に先立たれ幾ら呼び寄せても、同居しなかった私の祖母を思い出しました。
祖母の心中も、きっとこうだったのでしょうね。
口が重くなっていくお年寄りの思いに寄り添うことは、とても難しい事ですが、せめて悲しみや喜びに心の耳を傾けたいと改めておもいました。
読後、見返しのおじさんとピーピラピューの旅の様子にやはり胸が締め付けられました。