子供が成長するにつれ、その子があかちゃんだった頃の細かいディテールは、どんどん忘れていってしまいがちだと思います(父親に多い傾向かな?)。
私の場合、いま、あかちゃんを育てている最中の人から「○ヶ月頃って、こういうことした?」なんて、聞かれても、「どうだったかな…?」と、答えにつまってしまうことの方が多いです。
この本では、子供がどの月齢の頃に、どんなことをするかが、描かれています(ただ、「えっ!うちの子はまだこんなことできない」なんていう見方はしない方がいいでしょう。そんな目的のための本ではないと思います)。
描かれている子供の発達過程をゆったりとした気持ちでながめることで、自分や自分の子供、まわりの人たちや世界中の人たちが「みんなあかちゃんだった」ということがあらためて実感できる本だといえます。
子供は成長していくにしたがい、憎たらしくなるようなことをしたり、言ったりして、親とぶつかるようになるものです。でも、子供と思い切りぶつかり合った後に、この本に描かれているような視点を親が再確認できれば、きっと、それ以上、ことが悪い方向に進むことはないと思います。
みんな、段階を踏んで成長します。
子供に対して、あたかも、自分ははじめからずっと大人だったかのようにふるまうことだけはしないようにしなければ…と、感じさせられた本です。
どちらかといえば、おとなに向けて作られた絵本かもしれませんね。