初見では「『うろんな客』っていったい誰?」といった、とらえどころのない印象でした。最後まで読み進めて、2度目に読んでみると、「うろんな客」が持つ、うろんなかわいらしさの正体に気づきました。そして、作品全体にただよう、そこはかとなくユーモラスな雰囲気にも、納得。
「うろんな客」を、あたたかく(?)見守る人間たちが、素敵です。ふだんの生活で、とうてい理解できないような人や物事に遭遇しても、「ああ、なんてうろんな○○○○○!」(←五文字だとリズム良し)と思えばOK。どーん、とかまえてゆるしてしまえそう。
テンポの良い七五調の日本語、そして韻を踏む英語の原文。
二つの言語でリズムを楽しめ、語彙も増やせる、大人の英語学習にも役立つ一冊です。