くもとかせみとかいった昆虫が人間世界よろしく活躍する痛快時代劇、ともいえるシリーズ2作目。虫嫌いの私も笑顔になって読むことができました。それぞれの虫達の生態が捉えられています。つくつくじの仏様達が脱け殻のようにも見えますが、本当に存在するような見事な描写です。虫の世界の門前町の様子も見ていて飽きません。おやぶんの銭形平次のような言葉使いも様になっていて、子ども達も真似をするに違いないと思いました。
「ほとけのさばき」ぴったりのタイトルです。
【事務局注:このレビューは、「くものすおやぶん ほとけのさばき」 こどものとも 2007年3月号に寄せられたものです。】