「すてきな三人組」で知られるトミー・ウンゲラーの作品。
初版は2000年で、邦訳は2010年となっています。
「むかし、
ちいさなあおいくもがいた」
という書き出しで始まりますが、この主人公のあおいくもは、他のくもが雨を降らせていても知らん顔で、勝手気ままに過ごします。
そして、あおいくもが通り過ぎると、飛行機、山、ビルなどがあおく変色してしまうのです。
そんな自由な暮らしをしていたあおいくもなのですが、下で戦争が起きているのを目にします。
様々な色の人間を描いているのですが、正に多国間の戦争を象徴しているのでしょう。
この戦争を止めさせるために、あおいくもが取った行動は意外なもの。
ここからエンディングに続く部分は、ウンゲラーならではのもので、読後に心がキュンとなってしまいます。
最初は、割と淡々とした印象を持ったのですが、実はとても深い作品で、一読を薦めたい作品です。