小さな池で暮らすかあさんあひると6羽の子供たち。
かあさんあひるの
「荷物を纏めて、旅に出よう。何処かに きっと もっと ずっと 素敵な場所が あるはずだもの」
という発言で旅に出発します。
荷物を棒に結んで歩く姿は、何処かユーモラス。
どんどん下流に向かって歩いていくのですが、子供たちは1羽づつ気にいった場所で居を構え、かあさんだけが海に達して、それぞれが暮らすことになります。
子供たちとの再会があるのですが、最後にかあさんあひるは、元いた小さな池に戻ります。
エンディングは、何か胸をかきむしられる気持ちになります。
そこにあったのは、子供たちを立派に育てたという達成感なのか、それとも、単なる郷愁なのかは分かりません。
様々な思いが交錯したのかも知れません。
私達も、かあさんあひると同じように、旅をしていると言えるのでしょう。
旅を終えたとき、良かった旅をしたと言えるようにしたいものです。
子供に読み聞かせるというより、大人が読んで何かを感じてもらう、そんな類の絵本ではないかと思いました。