腹ぺこのオオカミにとって、目の前にごちそうがある(いる)のに、それを食べずに我慢するのはどんなにつらいことだろうなあと思います。作者もきっとそう思って、ガブの心情を詳しく描いています。
でも、友だちを信じたい、信じるしかないヤギの気持ちも実は相当葛藤があるのではないかと思います。隣にいるのは、オオカミ。肉を常食としている体臭がぷんぷんする、口が大きく、牙が鋭いオオカミです。おまけに、お弁当を谷に落としてしまった慌て者。いくら嵐の夜を一緒に過ごして意気投合した相手とはいえ、オオカミを信じるメイの心には敬服します。
それにしても、なんというドラマチックな展開でしょう。ドキドキしながら、洞窟から出てくる場面、最後の別れの一言を読みました。
今後の展開が気になります。
それは、脇で聞いていた我が家の小学生も同じようでした。「早く続きを借りて来て!」と、矢のような催促です。