昔私が小さいころに祖母の背中で聞かされた「かちかちやま」
聞かされるたびに「たぬきさんばかだね」と言いながら泣いていたというのが、40年近くたった今でも語り草になっています。
あの頃のかちかち山は、この山下さんの作品のようにおばあさんが婆汁にされ、仇を打たれて狸も死んでしまうのが当たり前でした。だからこそ、幼い私の心を揺さぶり涙を流させたのです。
今は、子供を思ってのことなのでしょうが、ある程度の嫌がらせを受け、ある程度の仕返しで済ませるような、半端なかちかち山が多いと感じます。
私は息子の大きく心を動かし、大きく考えてほしくて、このかちかち山を選びました。