赤い帽子をかぶった少年が、保護者がちょっと油断したスキに、とことことあちこちに遊びに行ってしまう。いなくなった子どもを探し回る話。
1970年年刊行。
迷子の子どもを必死に探し回る保護者(ご両親や親族の大人の人など)の慌てっぷりや、見つかった後のホッとした気持ちなどが本物。私も子どもの頃に、自主的に行方不明になって、大人たちに散々迷惑をかけた。当時の自分と、周りの大人たちの気持ちがよくわかる。ごめんなさい。
何かに似ていると思ったら、80年代〜日本でも流行した「ウォーリーを探せ」という、人探しゲームの絵本を思い出した。
ウォーリーは1987年にイギリスで出版された、というから(Wikipediaより)、実はこっちの日本の絵本の方が早かった。驚き。(向こうが真似した、というわけではないだろうけど)
昭和の子どもの遊びや、季節の行事、庶民の暮らしなどが垣間見られて、懐かしい気分になる。
スマホも何も、便利で贅沢な道具がなかった時代に、みんなは手作りの遊びを楽しんでいた。当時を知っている人にとってはちょっとタイムスリップした気分。知らない世代には、異空間を体験?
いろんな場所にいる一人一人が、全部違っていて、それぞれに物語があり、個性があるように描き分けているところが、やっぱりスゴイと思う。
画家は、よく人を見ているし、人が大好きだったのだと思った。