サーカスのできの悪い男の子ミハエルが白い馬と一緒にサーカスを出て、ニーナという少女に出会います。彼女の美しいバイオリンの音で歌を歌うことを思い出したミハエルは、サーカスで歌手として立派にひとり立ちする姿が描かれている。絵もファンタジックで、ストーリーも、ロシアや東欧やモンゴルっぽい不思議な雰囲気で良い。ちなみに、名前から、やはりロシアのようです。著者と挿絵家のトークショーでこの本を読み聞かせしていましたが、石津さんがバレエをやっていたとのことで、馬のニジンスキーはロシアのバレエダンサーのヴァーツラフ・ニジンスキーから、ニーナもロシアのバレエダンサーのニーナ・アナニアシヴィリから、ミハエルはミハエル・バリシニコフからとったとのことでした。作者の石津さんは、ささめやさんの「サーカスの白い馬」の絵を見て触発されてこの作品を書いたとのこと。そしてささめやさんも、以前、木下サーカスに20日くらい住み込んだことがあるとのことで、実感あふれる素敵な絵だと思います。最後のひとり立ちシーンが感動的です。