セミと言ったら、暑い夏に木にとまって大きな声で鳴いている姿を一番に想像してしまいますが、この本の中では、成虫になる前の土の中での生活の様子が描かれています。セミがこんなふうに、土の中では生活してたのかなと思うと、楽しいですね。
土の中でトンネルを掘っている途中に出会ったモグラくんとセミのこくんは、一緒に生活することになりました。それぞれの季節を楽しみながら生活するモグラくんとセミのこくんの様子を見ていると、なんだかほのぼのと温かい気持ちになれました。セミのこくんが成虫となり、地上に出てしまった時には寂しい気持ちも感じましたが、モグラくんが土の中から穏やかに見守っている様子を見て、すごくいいなと思いました。やさしさにあふれたすてきなお話でした。